農業・生命・医学
多因子遺伝(ニルソン=エーレ)
コムギの粒色が3対の因子の累積で63:1に分離することを示し、連続する変異もメンデル因子の重なりで説明できると論じた。生物測定学派とメンデル学派の対立を解く鍵で、量的遺伝学と作物育種の原点。
スウェーデン種子協会で小麦と燕麦の育種に携わっていたニルソン=エーレは、赤粒の小麦と白粒の小麦を交配すると、第二代で赤と白が3:1だけでなく、15:1や63:1に分かれる系統があることを見つけた。63:1は、赤を決める因子が独立に3対あり、そのどれか一つでも優性をもてば赤になると考えれば説明がつく。しかも赤の濃さは持っている優性因子の数に応じて段階的に変わり、多いほど濃かった。彼はここから、身長のように連続して分布する形質も、効果の小さい同じ向きの因子が何対も重なれば生じると論じた。これは、不連続なメンデル因子では連続変異を扱えないとする生物測定学派の反論への答えであり、翌年イーストがトウモロコシで同じ考えを示した。収量や耐寒性のような量的形質を多数の因子の累積として扱う見方は作物育種の方針を変え、フィッシャーの1918年の数理の前提にもなった。
- 年
- 1909年
- 人物・組織
- ヘルマン・ニルソン=エーレ
- 場所
- スヴァレーヴ(スウェーデン種子協会)・ルンド
- 地域
- ヨーロッパ
- 分野
- 農業・生命・医学 / 進化・遺伝
- 時代
- 20世紀
102件の発明・発見が土台にある
最も古いもの:打製石器(オルドワン石器)(約290万年前)
19段の系譜をさかのぼれる
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直接のつながり
技術的な土台 きっかけ・需要
これを土台に生まれたもの
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「技術的な土台」の線だけを古い方へたどったとき、最も長くつながる系譜です。打製石器(オルドワン石器)から19段で多因子遺伝(ニルソン=エーレ)に至ります。
- 約290万年前打製石器(オルドワン石器)
- 約170万年前握斧(ハンドアックス)
- 約30万年前ルヴァロワ技法
- 約5万年前石刃技法
- 約2万年前細石器
- 約1万2千年前鎌
- 前9500年頃農耕(小麦・大麦の栽培)
- 前5000年頃灌漑農業
- 前2000年頃測量幾何学
- 前580年頃演繹的証明の始まり
- 前500年頃ピタゴラスの定理
- 前450年頃無理数の発見
- 前370年頃取り尽くし法
- 前300年頃『原論』(公理的幾何学)
- 820年頃代数学
- 1202年筆算(インド・アラビア数字の伝播)
- 1662年統計学(グラントの死亡表)
- 1865年遺伝の法則
- 1903年純系説(ヨハンセン)
- 1909年多因子遺伝(ニルソン=エーレ)
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