制度・経済
社会物理学と「平均人」(ケトレー)
身長などの分布が正規分布に従い、犯罪・出生などの数が年ごとに安定した規則性を示すことを明らかにし、「平均人」を中心に社会を数で記述する社会物理学を提唱した。測定誤差の理論を人間集団に移した社会統計学の出発点。
ケトレーはもともと天文学者で、ブリュッセル天文台の設立に関わった。天文学では、同じ星を何度も測った値が平均のまわりに釣鐘型に散らばり、その中心が真の位置とみなされる。彼はこの誤差の考え方を人間に向け、新兵の身長や、年齢別の犯罪数、出生・死亡の数が同じ釣鐘型の分布や安定した規則性を示すことを明らかにした。そして分布の中心にいる架空の人物を「平均人」と呼び、個人のばらつきは平均人からの誤差のようなものだと考えた。
社会現象が個人の意思とは別に安定した数の規則性を示すという主張は、犯罪や自殺を社会の側から説明する社会学の出発点となり、デュルケームに影響した。一方、正規分布を人間の形質に当てはめる手法はゴルトンに受け継がれたが、ゴルトンは平均を理想とみなしたケトレーとは逆に、平均から上へのずれを重んじて優生学を唱えた。身長と体重から肥満度を測るBMIは、ケトレーが成人の体重が身長の二乗におおむね比例すると見いだしたことから「ケトレー指数」とも呼ばれる。
- 年
- 1835年
- 人物・組織
- アドルフ・ケトレー
- 場所
- ブリュッセル(刊行はパリ)
- 地域
- ヨーロッパ
- 分野
- 制度・経済 / 知識・規格・制度
- 時代
- 産業革命期
95件の発明・発見が土台にある
最も古いもの:打製石器(オルドワン石器)(約290万年前)
20段の系譜をさかのぼれる
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直接のつながり
技術的な土台 きっかけ・需要
これを土台に生まれたもの
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「技術的な土台」の線だけを古い方へたどったとき、最も長くつながる系譜です。打製石器(オルドワン石器)から20段で社会物理学と「平均人」(ケトレー)に至ります。
- 約290万年前打製石器(オルドワン石器)
- 約170万年前握斧(ハンドアックス)
- 約30万年前ルヴァロワ技法
- 約5万年前石刃技法
- 約2万年前細石器
- 約1万2千年前鎌
- 前9500年頃農耕(小麦・大麦の栽培)
- 前5000年頃灌漑農業
- 前2000年頃測量幾何学
- 前580年頃演繹的証明の始まり
- 前500年頃ピタゴラスの定理
- 前450年頃無理数の発見
- 前370年頃取り尽くし法
- 前300年頃『原論』(公理的幾何学)
- 820年頃代数学
- 1202年筆算(インド・アラビア数字の伝播)
- 1591年記号代数(文字式)
- 1637年解析幾何
- 1670年微積分
- 1809年正規分布と最小二乗法
- 1835年社会物理学と「平均人」(ケトレー)
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