材料・製法
マーセル加工
綿布を濃い苛性ソーダで処理して繊維を膨らませ、染料の吸着を高めた。張力をかける光沢加工はホレース・ロウ(1889)が追加し、絹様の綿が可能になった。
綿は、濃い苛性ソーダの液につけると、繊維が膨らんで縮む。マーサーは、この処理をした綿布が丈夫になり、染料をよく吸うことに気づいた。繊維の断面が平たい形から丸みを帯びるためで、染めたときの色が濃く、鮮やかに出る。ただ、処理中に布が縮むので、当初は実用化が進まず、特許を取ったのも発見から数年後の1850年である。
1889年にロウが、布を引っ張って縮まないようにしたまま処理する方法を示した。すると繊維の表面がなめらかになり、光を均一に反射して絹のようなつやが出た。この加工を施した糸や布は、マーセル加工綿として、シャツ地や靴下、ミシン糸などに使われる。名前は発見者マーサーにちなむ。薬品の濃度や温度を管理する必要があり、化学工業の発達が前提になった技術である。
- 年
- 1844年
- 人物・組織
- ジョン・マーサー(特許1850年)
- 場所
- ランカシャー(オークンショー)
- 地域
- ヨーロッパ
- 分野
- 材料・製法 / 繊維・衣類
- 時代
- 産業革命期
67件の発明・発見が土台にある
最も古いもの:打製石器(オルドワン石器)(約290万年前)
23段の系譜をさかのぼれる
ルーツをたどる
直接のつながり
技術的な土台 きっかけ・需要
ルーツをたどる
「技術的な土台」の線だけを古い方へたどったとき、最も長くつながる系譜です。打製石器(オルドワン石器)から23段でマーセル加工に至ります。
- 約290万年前打製石器(オルドワン石器)
- 約170万年前握斧(ハンドアックス)
- 約30万年前ルヴァロワ技法
- 約5万年前石刃技法
- 約2万年前細石器
- 約1万2千年前鎌
- 前9500年頃農耕(小麦・大麦の栽培)
- 前5000年頃灌漑農業
- 前2000年頃測量幾何学
- 前580年頃演繹的証明の始まり
- 前500年頃ピタゴラスの定理
- 前450年頃無理数の発見
- 前370年頃取り尽くし法
- 前300年頃『原論』(公理的幾何学)
- 前250年頃浮力の原理
- 前250年頃てこ・揚水スクリュー
- 1604年頃落体の法則と実験科学
- 1643年気圧計
- 1650年真空ポンプ
- 1661年元素の概念と気体の法則
- 1774年酸素の発見
- 1789年近代化学(質量保存の法則)
- 1791年ソーダ製造(ルブラン法/ソルベー法)
- 1844年マーセル加工
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技術的な土台2件
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