文明のテックツリー

農業・生命・医学

自然集団の酵素多型の発見(ルウォンティン=ハビー/ハリス)

電気泳動でショウジョウバエ集団の約3割の遺伝子座が多型で、個体の約12%がヘテロと分かった。ヒトでもハリスが同様に示した。想定よりはるかに多い変異をどう説明するかが問題となり、木村の中立説(1968)のきっかけの一つ。

それまで集団の変異は目に見える突然変異体でしか測れず、普通の個体がどれだけ変異を持つかは分からなかった。ルウォンティンとハビーは、デンプンゲルの電気泳動で酵素タンパク質を分離し、アミノ酸の電荷の違いで移動度が変わることを利用して、見た目は同じショウジョウバエの18の遺伝子座を調べた。ハリスは同年、ヒトの10種の酵素のうち3つが多型と示した。電気泳動で検出できない変異もあり、これらは下限である。当時の主流は、変異は淘汰で排除されて集団は均一に近いとする考えだったが、これほど多くの多型を自然選択が維持しているなら、淘汰にかかる犠牲(遺伝的荷重)が大きすぎて集団は存続できないはずである。この矛盾が、ほとんどの変異は有利でも不利でもないとする木村の中立説を生み、方法自体もアロザイム研究として1980年代まで集団遺伝学の主役になった。

年
1966年
人物・組織
リチャード・ルウォンティン/ジャック・ハビー/ハリー・ハリス
場所
シカゴ・ロンドン
地域
北アメリカ
分野
農業・生命・医学 / 進化・遺伝
時代
20世紀

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208件の発明・発見が土台にある
最も古いもの:打製石器(オルドワン石器)(約290万年前)

27段の系譜をさかのぼれる
ルーツをたどる

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「技術的な土台」の線だけを古い方へたどったとき、最も長くつながる系譜です。打製石器(オルドワン石器)から27段で自然集団の酵素多型の発見(ルウォンティン=ハビー/ハリス)に至ります。

  1. 約290万年前打製石器(オルドワン石器)
  2. 約170万年前握斧(ハンドアックス)
  3. 約30万年前ルヴァロワ技法
  4. 約5万年前石刃技法
  5. 約2万年前細石器
  6. 約1万2千年前鎌
  7. 前9500年頃農耕(小麦・大麦の栽培)
  8. 前5000年頃灌漑農業
  9. 前2000年頃測量幾何学
  10. 前580年頃演繹的証明の始まり
  11. 前500年頃ピタゴラスの定理
  12. 前450年頃無理数の発見
  13. 前370年頃取り尽くし法
  14. 前300年頃『原論』(公理的幾何学)
  15. 前250年頃浮力の原理
  16. 前250年頃てこ・揚水スクリュー
  17. 1604年頃落体の法則と実験科学
  18. 1643年気圧計
  19. 1650年真空ポンプ
  20. 1661年元素の概念と気体の法則
  21. 1774年酸素の発見
  22. 1789年近代化学(質量保存の法則)
  23. 1840年農芸化学(無機栄養説)
  24. 1842年過リン酸石灰(化学肥料)
  25. 1843年ロザムステッド農業試験場
  26. 1925年推測統計学
  27. 1930年進化の総合説(集団遺伝学)
  28. 1966年自然集団の酵素多型の発見(ルウォンティン=ハビー/ハリス)

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