農業・生命・医学
分子病の概念(鎌状赤血球ヘモグロビン)
鎌状赤血球症患者のヘモグロビンが電気泳動で正常と違う移動度を示すことから、遺伝子の変化が一つのタンパク質分子を変えて病気を起こすと論じた。「分子病」の初例で、アリソンのマラリア平衡選択と分子進化研究の前提。
鎌状赤血球症は酸素が少ないと赤血球が三日月形に変わる遺伝病で、ポーリングは1945年にこの話を聞き、原因はヘモグロビン分子自体の性質ではないかと考えた。イタノらはティセリウスの装置で電気泳動を行い、患者のヘモグロビンが正常より正の電荷が多く、電場の中で違う速さで動くことを見つけた。さらに保因者では正常と異常のヘモグロビンが混在しており、1つの遺伝子の違いが1つのタンパク質分子の違いとして現れ、それが病気の原因になるという考えを、サイエンス誌の論文「鎌状赤血球貧血、一つの分子病」で提唱した。違いの正体は1957年にイングラムが、ペプチド断片の比較から、ヘモグロビンβ鎖の6番目のアミノ酸がグルタミン酸からバリンに置き換わったものと突き止めた。病気を分子の異常として説明する考えは医学の見方を変え、タンパク質の電気泳動は後に酵素多型の発見にも使われた。
- 年
- 1949年
- 人物・組織
- ライナス・ポーリング/ハーヴェイ・イタノ/S・J・シンガー/アイバート・ウェルズ
- 場所
- カリフォルニア工科大学(パサデナ)
- 地域
- 北アメリカ
- 分野
- 農業・生命・医学 / 生物学・遺伝子
- 時代
- 20世紀
直接のつながり
技術的な土台 きっかけ・需要
分子病の概念(鎌状赤血球ヘモグロビン)1949年
これを土台に生まれたもの
ルーツをたどる
「技術的な土台」の線だけを古い方へたどったとき、最も長くつながる系譜です。打製石器(オルドワン石器)から24段で分子病の概念(鎌状赤血球ヘモグロビン)に至ります。
- 約290万年前打製石器(オルドワン石器)
- 約170万年前握斧(ハンドアックス)
- 約30万年前ルヴァロワ技法
- 約5万年前石刃技法
- 約2万年前細石器
- 約1万2千年前鎌
- 前9500年頃農耕(小麦・大麦の栽培)
- 前5000年頃灌漑農業
- 前2000年頃測量幾何学
- 前580年頃演繹的証明の始まり
- 前500年頃ピタゴラスの定理
- 前450年頃無理数の発見
- 前370年頃取り尽くし法
- 前300年頃『原論』(公理的幾何学)
- 前250年頃浮力の原理
- 前250年頃てこ・揚水スクリュー
- 1604年頃落体の法則と実験科学
- 1643年気圧計
- 1650年真空ポンプ
- 1661年元素の概念と気体の法則
- 1774年酸素の発見
- 1789年近代化学(質量保存の法則)
- 1800年電気分解
- 1937年電気泳動
- 1949年分子病の概念(鎌状赤血球ヘモグロビン)
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すべてのつながり
技術的な土台3件
これがなければ成り立たなかった技術・知識。
これを土台にしたもの1件
この発明・発見を技術的な前提としているもの。
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