材料・製法
アリザリンの合成
アカネの赤色素を石炭タールのアントラセンから合成した。天然染料の色素を化学合成して工業化した早い例で、アカネ栽培を壊滅させ、藍の合成(1897)へ道を開いた。
アリザリンは、アカネという植物の根から取る赤い色素で、古くから綿や毛の染めに使われてきた。グレーベとリーベルマンは、この色素がアントラセンという石炭タールの成分と同じ骨格を持つことを突き止め、アントラセンから合成する道を開いた。原料の石炭タールは製鉄やガス灯の副産物であり、安く手に入る。畑で育てて根を掘り、色素を取り出すよりも、工場で作るほうが安くなった。
BASFは1869年ごろから工業的な生産に入り、イギリスのパーキンもほぼ同時期に実用的な製法を見つけた。アカネの栽培面積は急速に縮小し、とくに産地だった南フランスの農業に影響が及んだ。有機化学の理論から色素の構造を解き、それをもとに合成するという流れは、のちの藍の合成や染料工業全体の手本になった。
- 年
- 1868年
- 人物・組織
- カール・グレーベ/カール・リーベルマン(ベルリン)。BASFはカロとともに工業化と特許を担った
- 場所
- ベルリン
- 地域
- ヨーロッパ
- 分野
- 材料・製法 / 化学工業
- 時代
- 産業革命期
直接のつながり
技術的な土台 きっかけ・需要
ルーツをたどる
「技術的な土台」の線だけを古い方へたどったとき、最も長くつながる系譜です。打製石器(オルドワン石器)から27段でアリザリンの合成に至ります。
- 約290万年前打製石器(オルドワン石器)
- 約170万年前握斧(ハンドアックス)
- 約30万年前ルヴァロワ技法
- 約5万年前石刃技法
- 約2万年前細石器
- 約1万2千年前鎌
- 前9500年頃農耕(小麦・大麦の栽培)
- 前5000年頃灌漑農業
- 前2000年頃測量幾何学
- 前580年頃演繹的証明の始まり
- 前500年頃ピタゴラスの定理
- 前450年頃無理数の発見
- 前370年頃取り尽くし法
- 前300年頃『原論』(公理的幾何学)
- 前250年頃浮力の原理
- 前250年頃てこ・揚水スクリュー
- 1604年頃落体の法則と実験科学
- 1643年気圧計
- 1650年真空ポンプ
- 1661年元素の概念と気体の法則
- 1774年酸素の発見
- 1789年近代化学(質量保存の法則)
- 1803年原子説
- 1813年元素記号と原子量表
- 1828年有機化学の成立(尿素合成)
- 1856年合成染料(モーブ)
- 1865年ベンゼンの構造式
- 1868年アリザリンの合成
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すべてのつながり
技術的な土台2件
これがなければ成り立たなかった技術・知識。
これを土台にしたもの1件
この発明・発見を技術的な前提としているもの。
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